    大草原のローラの仲間

    ローラ・インガルス・ワイルダー
    その作品と生涯におけるゆかりの人々

ミズーリ Missouri

クーリー夫妻

フランクとエマ夫婦。デ・スメットに住んでいたころ、ミズーリ州へ行って「大きな赤いリンゴの地」を見てきた人。そのあとローラたち夫婦と一緒にデ・スメットからマンスフィールドに幌馬車で移住した。クーリー夫妻には、二人の息子ポールとジョージがいた。マンスフィールドでは町でホテルを経営。フランクは鉄道関係の荷車運搬の仕事もする。クーリーさんが亡くなった後、奥さんは馬車と荷車運搬の権利をアルマンゾに売った。

ポールとジョージ

クーリー夫妻の息子たち。デ・スメットからローラ一家とともに幌馬車でマンスフィールドにやってきた。その長い旅においてもマンスフィールドの町でも、二人はローズのよい遊び友達だった。ローズはのちに兄のポールに憧れ、恋心を抱いたようにロッキーリッジ・シリーズには書かれている。

Ｎ・Ｊ・クレイグ

マンスフィールドでワイルダー家と特に親しくしていた友人の一人。マンスフィールド銀行で働いていた。夫人もローラの友人だった。

キャサリン・ブロディ

ニューヨークの新聞記者で、パリでローズと出会った。ロッキー・リッジに泊まったことがある。

ガイ・モイストン

ローズがサンフランシスコ・ブレティンで働いているときからの知人でアソシェイデッド・プレスの記者をしていた。1924年頃、ローズに招かれてロッキー・リッジに３ヶ月ほど滞在。1920年代に文通していたが、ローズは彼の求婚を断った。

ヘレン・ボイルストン（トラブ）

ニュー・ハンプシャー出身。ローズがポーランドで知り合った従軍看護婦で、のちにローズの刺激を受けて作家になる。ロッキー・リッジに１年ほど滞在したことがある。旅行ののちまたローズと戻ってきて一時期農場で暮らした。

コリン・マレー夫妻

マンスフィールド時代のローズの友人で、ブリッジ仲間。夫婦で洗濯屋をやっていた。ローズのコロンビア滞在中は、ローラの勧めもありロッキー・リッジの木の家に一時期住んでもらっていたことがある。彼らが出た後には、再びローラ夫婦が木の家に移り住むことになった。

レックス・メータ

ローズがアルバニアで知り合ったアルバニア人の十代の青年。危険な山道を案内してくれたことがあり、ローズは彼のケンブリッジ大学在学中の学費の補助を続けた。

ジョージ・Ｔ・バイ

ローズの出版代理人。著者と契約して、ニューヨークで出版社とのやり取りを代行した。ローラの作品の代理人も務め、手紙のやり取りもしている。

マリオン・フィーリイ

アルフレッド・Ａ・クノップ社児童部の女性編集者。
「森の中の小さな家」のタイトルで自社で出版予定中だったローラーの原稿を、不況で自社の児童部が閉鎖されたために、ハーパー・アンド・ブラザース社に仲介した。

バージニア・カーカス

ハーパー・アンド・ブラザース社児童部の女性編集者。
のちにローラーの"辺境シリーズ"の第１作になった物語を、『大きな森の小さな家』と題を改めて出版。

ヘレン・スーウェル

1932年出版の『大きな森の小さな家』をはじめ、ローラ作品の最初のイラストをペン画で描いた。

ミルドレッド・ボイル

挿絵のヘレン・スーウェルがシリーズの途中で病気になったため、４作目から協力することになった。

ガース・ウィリアムズ

ハーパー・アンド・ブラザース社が「小さな家シリーズ」の新版を作ったときに、新しく挿絵を描いた画家。実際にローラの物語の舞台を旅し、６年間をかけて書き上げた。
1947年９月にはロッキー・リッジの農場を訪ね、ワイルダー夫妻に会って話をした。

ジョン・ターナー、アル・ターナー

  1930年代の初め頃、食べ物の代わりに働きたいとロッキー・リッジ農場を訪れた身寄りのない少年。
  ローズは彼に仕事を与え、家に住まわせて、高校まで入学させてやった。
  兄のアルも伯父の農場にいたので、同じように引き取った。

ルイーズ・レイモンド

ローラの「小さな家シリーズ」作品を出版したハーパー・アンド・ブラザース社の最初の編集者。
のちの編集者はアーシュラ・ノードストロムになる。

サイラス・シールとニータ

  サイラスはローラ夫妻のマンスフィールド時代の若い友人。マンスフィールドでガソリン・スタンドを経営していた。1920年代にはデトロイトのフォードの工場で一時期働いていたが、1928年に妻のニータを連れてマンスフィールドに戻った。ローラ夫妻の車の運転を引き受けて、デトロイトのブックフェアや、太平洋岸を通って各州を旅しながらサウス・ダコタまで乗せて行ってくれたこともある。
  妻のニータもローラ夫妻の誕生日にごちそうを作ってくれ、ニータの作るスイス風ステーキがアルマンゾの所望だった。ニータはアルマンゾが亡くなったのちも、農場のローラの許にしばらく泊まりにきてくれていた。ローラ夫妻にとっては息子と娘のような友人だった。
   ニータ･シールは1904年生まれで、ローラより37歳年下と『ロッキーリッジの新しい夜明け』に書かれている。

ブルース・プロック一家

  マンリーの農場の雇い人。
  ワイルダー夫婦も高齢になり農作業もきつくなってきたため、ロッキー・リッジの道の向かいに新しく家を造って一家を住まわせ、農場の作業を頼んだ。
  のちに、一家はよそへ移った。

ショーター夫妻（ハーランドとジャリーダ）

1940年代にロッキー・リッジの農場の一部と石造りの家を買った夫妻。ワイルダー夫妻はのちに農場全体を彼らに買いとってもらうよう契約した。

エルモア一家

以前、ブルース・プロック一家が住んでいて、ワイルダー夫妻が手放した、道の向かいの家の住人。ローラの晩年、よく訪ねてきた。

ジョーズ一家

ロッキー・リッジのローラの農場近くに住んでいた友人。ロスコウとシェルドンの二人の息子がいて学校帰りにローラのところによく立ち寄り、仲良くなった。ショーターの子どもたちとは従兄弟になる。

ジム・ハートリー

マンスフィールドでタクシー業を営んで、晩年のローラのドライブの運転を引き受けていた。
彼が亡くなった後は息子の嫁のバージニアが引き継いだ。

ひとこと

  ローラ一家がフロリダからデ・スメットに戻ったとき、大草原は７年続きの干ばつと熱風で荒れ果てていました。
  ローラ夫婦はとうさんの町の家から１区画離れたところに家を借りて暮らしながら、アルマンゾは町でいろいろな仕事をし、ローラは毎日洋裁店で働いて、少しずつお金を蓄えるよう努力しました。それでも、麻痺が残ったアルマンゾの身体にはデ・スメットの寒さは耐え難いものでした。そのため、再び温暖な地方への移住を考え始めていたのです。
  ちょうどそのころ、二人はデ・スメットからミズーリ州に行った人の話や写真から「大きな赤いリンゴの土地」の話を知らされました。そして、1894年７月17日、思い立ってミズーリ州に向けて幌馬車の旅に出発したのです。この旅の出来事を記録したローラの日記は、ローラの没後、ローズがまとめた「わが家への道 On the Way Home」に載せられています。
  ミズーリ州へは、クーリーさん一家も同行しました。１ヶ月半の長旅の後、ローラたちはとうとうマンス・フィールドに到着。運良く40エーカーの土地を手に入れます。それは岩だらけの土地でしたが、手入れ次第で将来、立派な農場に変わることを、ローラは知っていました。そして、その農地を「ロッキー・リッジ農場」と名づけ、共に協力して働いたのです。
  娘のローズはここで成長し、いろいろな経験をして作家になりました。ローラは農場を切り盛りし、農家の主婦としての生活を地方新聞に投稿したりしていましたが、やがてローズに勧められて、なつかしい開拓時代の思い出を物語に書くことになったのです。
  マンス・フィールド移住後の農場や町での暮らしは、ロジャー・リー・マクブライドの「新・大草原の小さな家 The Rocky Ridge Years 」を読むと詳しく分かります。成長していくローズを主人公とした、マンス・フィールドにおけるワイルダー一家の物語で、マクブライドの創作ですが、基本的には事実に沿って書かれているようです。

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