    大草原のローラの仲間

    ローラ・インガルス・ワイルダー
    その作品と生涯におけるゆかりの人々

ウィスコンシン Wisconsin

ペピン

グスタフ・グスタフソン

チャールズ一家がカンザス州に移住する前、大きな森の農場をとうさんから分割払いで買ったスウェーデン人。しかし、土地の代金が支払えなくなったので買い戻して欲しいと手紙が来た。そこで、ローラたちはカンザスの大草原から大きな森へ戻った。

アニー・バリー先生

  ウィスコンシンの「バリー・コーナー学校」の先生で、当時、25歳だった。ペンシルバニア州のアリゲニー生まれ。今のピッツバーグ市の一部にあたる。1850年代半ば頃の11歳のとき家族とともに蒸気船でオハイオ州を下り、ミシシッピー川を上ってペピンに来た。
  祖父のジョウゼフ・ポーターは、この辺りでいちばん古い開拓移住者で、ボウガス・クリークに製粉所を作った。父親はジェイムズ・バリーといい、アイルランド生まれで60歳くらい、以前は陸軍の大尉だった。母親はエリザベス。姉のアマンダとエリザベスはすでに結婚していた。弟は当時14歳だったが、吹雪の中で亡くなった。黒人の14歳の男子も召使いとして住んでいた。
  アニー・バリー先生は当時25歳で、両親とバリー・コーナーに住んでいた。バリー家の名がつけられた十字路のそばの学校は「バリー・コーナー学校」と呼ばれ、小さな家から半マイルほどのところにあって、アニー先生はメアリー、いとこのチャーリー、アルバート、ロッティ、ヒューレット家のクラレンスなど20人の生徒を受け持っていた。
  アニー・バリーは、崖地の家からペピン湖の岸辺の家へ引っ越すまで、「バリー・コーナー学校」で教えていた。一生、先生として働き、1941年に亡くなる。

ヒューレット一家

トーマス・ヒューレットと奥さんのジェイン。大きな森の小さな家から２マイルほどのボウガス・クリークを下った「夏の丘」に住んでいて、おとなのサム、ジョン、アーサーと、21歳の娘のジェインがいた。
もう一人の息子、アイルランド生まれのトーマスジュニアは当時28歳で、独立していた。奥さんのマリア・クラークはペンシルベニアの出身だった。この若い夫婦はローラの家から半マイルと近く、インガルス夫婦ととくべつ仲がよくて、よく行き来した。ローラより１歳上のクラレンスと３歳下のイーヴァ（エバ）という二人の子がいて、ローラはクラレンスと仲良しだった。 10代のノルウェー人の女の子もいっしょに住んでいた。クラレンスは、『大きな森の小さな家』に赤毛でそばかすだらけの男の子と書いてある。

ピーターソン一家

スウェーデン人で、インガルス夫婦と仲がよかった。『大きな森の小さな家』（講談社文庫）には、ピーターソンのおばさんの家は「道を渡って丘を下ったところにある」と書かれている。主人の名はスヴェンといい、スウェーデンで生まれたヘレン、大きな森で生まれた３歳のチャールズがいた

アンドリュウ・アンダーソン

チャールズ一家がミネソタへ移住する時、大きな森の土地を千ドルで買ってくれたスウェーデン人。

ひとこと

  「小さな家」シリーズの第１作目『大きな森の小さな家』は、時間的に連続した一つの物語としてまとめられています。
  しかし伝記によると、ローラがウィスコンシンの大きな森で暮らしていたのは､1867年２月７日にローラが誕生してから1868年７月に最初の旅に出るまでの１年半と、旅から帰った1871年５月の４歳の時から1874年２月初めの６歳の時までの、２年９カ月とに分かれています。初めの１年半はローラは赤ん坊でしたから、大きな森の最初のころの生活は何も知りません。とうさんや、かあさんから、あとから聞くしかありませんでした。メアリーも、まだ小さかったのです。
  そんなわけで、『大きな森の小さな家』の物語のほとんどは、旅から帰った４歳から、ミネソタ州のプラム･クリークへ移住する７歳までの、ローラ自身の記憶によるところが大きいと思われます。もちろん、その中にも、あとから家族に聞いた話がたくさんあったに違いありません。
  でも、それらを子どものころから何十年もの間、心の中に一つひとつ絵を見るように覚え続けていた生来の感受性と記憶力は、やはり並大抵のものではなく、まさに、すばらしいの一語に尽きるでしょう。

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