星祭り

  星祭りの日、車を置いて長い参道を登っていく。ウィークデーなので、周囲はほとんどお年寄りばかり。あとは女性と小さな子どもが混じっている。何だか昔に帰ったような錯覚に陥って、ほのぼのとした気分になる。緑い柴の上に旧い御札（おふだ）を積んで火を点じ、神職が清めの祝詞を上げていく。風がありひどく冷たい一日だが、パチパチと燃え上がった炎のほでりが見守る人々の顔を明く照らし、山の樹木をバックに高く舞い上がった灰が、上空を漂って、参拝者の上着の肩にヒラヒラと舞い降りていく。お接待のショウガ入りの熱い飴湯が、身体の芯まで温かく浸みて、寒さと疲れをしばし癒してくれるようだった。