展 示 場 に て

  20年くらい前、園芸の露店をのぞいていると田んぼから上げられたさつきが並んでいて、大部分は大輪だったが、中に１株だけ日光が混じっていた。上の部分がやけに長く、まっすぐひょろっと伸びている木だが、株元はけっこう太く根張りもまあまあだったので500円で買って帰り、露地植にして取り木をかけておいた。
  翌春これを外して、下部は小品向けに鉢上げとし、上の長い部分を枝を上にしてトロ箱に伏せておいた。この素材から作り込んだのが、写真の日光（筏吹き）である。20年近く経ったので樹形のほうも大分出来てきている。
  ただ、幹が30本近くあって煩わしいため、幹のバランスを取りながらどんな風に減らしていくか、それが今後の課題になるだろう。