展 示 場 に て                  

  この木は元来は露地植の若木であったものを家人が貰ってきたのだろう。小さな駄温鉢に植えられた当時から株立ちの木だった。

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  途中、大した素材とも思わず植え替えを怠ったためか葉が黄変し、枯れかけたことがあった。時期外れだったが急いで土を落とし、傷んだ根を取り除いて植え替えをした。「もう、だめかも知れない」と半ば諦めていたのに、あれから20年近く、年とともに次第に勢いを取り戻し現在の姿に。

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  この木の特徴はなんといっても各幹が紅、白、地の色とはっきり咲き分けているところ。当初は紅と白が多過ぎたのでこの20年間に切りつめ、地の色を増やした。
  幹数も大小９本ほどに固定し、樹形も全体に、やや丸みを帯びた不等辺三角形にまとめ、できるだけ枝の上下に空間を持たせるよう心がけた。
  まだどの幹もそれほど太くはないが、株だけはかなりの大きさに育ってきているし、根張りもよい。

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  昨年は今夏同様に天候が不順だったり植え替えで根を傷めたせいか、冬期に小枝を少々枯らしてしまったが、樹勢も徐々に回復してきている。
  また来年の花期にはいい花を咲かせてくれるだろうか、心待ちにしながら水やりを続けている。